書・刻字・工筆画、ときどき篆刻

書道、刻字、工筆画を趣味とするおじさんの日記

日本刻字展に出品しました

例年 1月に開催している日本刻字展に今年も出品しました。今日「佳作賞」入賞の葉書が届きました。正直 嬉しいです。

日本刻字展に関わらず、各書展も同じ様な仕組みだと思うのですが、公募出品者がボトム、その上に無監査グループ、さらにその上が委嘱作家Gr、審査会員候補Gr、審査会員Grと、上に行くにつれ人数は少なくなり、ピラミット状に積み上がっています。僕が今いるのはボトムの公募Grで、入選1点、入賞2〜5点、合計10点獲得で、上のグループ無監査に進むという仕組みです。入選のみだと、無監査に上がるまで10年かかるんです! 無監査、委嘱作家のグループも同じ様に10点獲得で上がっていく仕組みですから、本当に先の長い道のりです。

第43回日本刻字展は、2025年1月21日(火)~26日(日)上野東京都美術館 LB階 第1・2展示室で開催されます。全国から沢山の優れた刻字作品が集まります。刻字は写真ではその魅力が充分伝わらないので、是非現物を見ていただきたいと思います。

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今回の出品作品は「懸弧」(けんこ)。男子出生のとき、門左に桑弓を懸ける中国の古い風習にちなみ、初孫の誕生を祝って作りました。文字部分を彫り込んだ陰刻で、サイズはサムホール(23cm×16cm)です。

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ここまでお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

書道について①

リタイア後の趣味にと、7年前ほど前から書道教室に通い始めました。僕が書道を始めようと思い立ったのは、いい年なんだし,毛筆で少しはマシな字を書けるようになりたい、と言った単純な理由だったと思います。書道は小学生以来、40数年ぶりの事でした。

ところで、習字と書道の違い わかりますか?

「習字」は文字を美しく、綺麗に読みやすく書くことを主として学ぶものです。一方、「書道」は文字を素材に美しく、人に感銘を与えられる表現にするもの=芸術、と言えます。

なので、僕が最初に目指したのは、正確には「習字」だったらと言う事になります。「習字」という基礎の上に「書道」が乗っている感じでしょうか?


この先の道のりは果てしなく長い!

書道の世界は超ベテラン揃いです。小学生の頃からずーっと続けている方もおり、書道歴60年、70年という先生がザラです。笑ってしまいますが、キャリアの長さにおいては僕は年齢的にいくら努力しても追いつけないわけです。しかし、書道は自己表現の世界、理想を追求するため、命ある限り続けたいと思っています。


上達した事が実感しにくいのも書道

書道の基礎となる「習字」に取り組んでいますが、いまだに習字のステージから抜けていない、と言うのが実感です。お手本通りに書く「臨書」が、練習の基本となります。書道団体に所属している先生は、その書団が発行する月刊テキストに基づいて指導されるケースが多いようです。テキストには、その書団を運営する会長先生などがお手本を書かれており、半紙で書く楷書、行書、草書、隷書の各書体手本、条幅(書初めで使うような縦長の用紙)で書く行草書体手本、かな手本、ペン字手本、古典作品の臨書課題など、盛り沢山なお手本が掲載されています。その書団の会長がお手本を書かれるわけですから、目的はその書団の書風を習得すると言うことになります。仕上げた作品は「競書」として毎月本部へ送付し、審査を受け、現状維持、一段階昇格などの結果が、テキストに掲載されます。当月のテキストには2-3ヶ月前の提出作品の結果が掲載されることになります。1段階あがれば結構嬉しいもので、この仕組みが継続するためのモチベーションになっています。この様な仕組みがあっても、個人的には上達したと言う実感はあまり感じられないのが正直なところです。


守破離

書道に限らず、日本の「◯◯道」における修行の過程を説明するのに「守・破・離」という言葉が使われることがあります。「守」とは師の教えを忠実に守ること、つまり基本の段階です。「破」とは自分で考え工夫すること、つまり自立の段階です。「離」とは独自の新しい世界を確立すること、つまり創造の段階を指しています。僕はこの「守」の段階でウロウロしています。「書道」やってます、と名乗れるのは、次の「破」以降のステージの人なんだよなぁ、とわかってはいるんですが…


以上お読み頂きありがとうございました。書道については、今後継続的に掲載するつもりです。

僕が書道を始めて、初めて公の場に出品した作品です。

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京都 墓参 観光

12/3は父の祥月命日。墓参のため、東本願寺飛地境内である大谷祖廟へお参りしました。数年前、秋田のお墓を墓じまいし、本山のお墓に納骨しています。大谷祖廟は親鸞聖人の御廟所(墓所)であり、また、本願寺の歴代、全国各地の門徒の方々の遺骨も納められています。京都東山、八坂神社・円山公園の南、高台寺の北側に位置し、広い境内に幾つかのお堂、東山の裾野を背にご廟が配されており、とても静寂で清らかな空気が流れています。

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昨年の京都は紅葉🍁が少し遅れたようで、12月上旬がピークだったようです。お陰で、充分過ぎるほど紅葉の景色が堪能できました。

例年墓参に合わせて京都の観光をしてきましたが、今回初めて観光バスによるツアーに参加してみました。

◯ライトアップ 京の紅葉 知恩院と東寺の夜紅葉by おこしバス(京都定期観光バス)

◯紅葉バスツアー 下鴨神社龍安寺泉涌寺 なごりの紅葉めぐり(2024/12/1~12/8)<昼食付/京都駅発>by おこしバス(京都定期観光バス)

 

参加しての感想ですが、大正解‼️でした。内気なおじさん一人での参加ですが、適度に自由時間があるため、気後れすることなく楽しめました。

・専用バスなので、時間的に無駄なく移動できる

・バスガイドさんによる、車中のトークが面白くてためになる

・拝観料込(チケット買いの長蛇の列に並ばなくていいんです)で、ツアー料金が良心的

・昼食は一人では絶対入らないであろう、老舗(西陣魚新)での京弁当

以上が感じたメリットですが、ガイドさん(いずれも女性)の解説やトークに関心しました。彼女たちは、本当に観光ガイドとしてプロの仕事をされています。京都の歴史や風土、食べ物、お土産、お薦めポイントなど全方位的な知識に加え、京都弁が旅愁を引き立てます。沢山勉強したんだろうなぁ、本当に頼もしい! 京都修学旅行を思い出しました。高校生がガイドさんに惚れてしまうのも無理ないなぁ。おこしバスさん、ありがとうございました。以下、記憶に残る美しい景色写真を掲載します。

ここまでお読み頂き,ありがとうございました。

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刻字について①

刻字って、知ってますか? 書道のひとつのジャンルになります。

以下「刻字のテキスト」(芸術新聞社発行)  はじめに (日本刻字協会会長薄田東仙先生序文)より引用

文字を扱うと言う面では、伝統的な書道の一分野であり、刻(ほ)って色づけするという面では、絵画や彫刻のようにクリエイティブな要素が大きい、他に類をみないアートと言えます。

日頃目にする事があるとすると、お寺の門などに掲げられている扁額がそうです。

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             扁額写真

また、一番規模が大きい毎日書道展では一分野として扱われており、日本刻字展では、刻字作品のみの出品作が多数展示されます。

刻字との出会いは、数年前から始めた書道の勉強のため出かけた毎日書道展でした。篆書体で書かれた文字の周りを彫り下げ、文字に金箔が貼られ、立体的に見える作品に目が釘付けになりました。また、文字を彫り下げ、そこへ真っ白い胡粉を塗った作品もあり、陰影によりこちらも文字が浮き出ているように見えるんです。前者を陽刻、後者を陰刻と言います。

 

以下の「自然回帰」は陰刻ですが、下のReturn to innocence 部分は文字の周りを溝状に掘り込み、文字の上にラッカーを盛る筋彫りとしています。ENIGNAの楽曲Return 〜にインスピレーションを得て、自然(じねん)=あるがまま に帰る事を自分も目指したいと願い制作した作品です。

制作手順はざっくり言って次の通りです。

1、書を書く

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2、トレーシングペーパーを載せ、籠字(文字の周りを線書して写しとる)を取り、板に糊付けする。

3、文字の周り(又は文字部分)をノミで彫り下げる。

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4、背景に着色し、文字部分に箔を貼る(又は文字部分を胡粉で塗る)

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以上 刻字についての簡単な説明となりましたが、今後継続的に具体的な内容を掲載いたします。

ここまで、お読み頂きありがとうございました。

 

 

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掲載(更新)日 : 2025年 1月 1日