今年も毎日書道展に刻字作品を出品し、5回目の入選となりました。
「一重山尽復一重 話尽山雲海月情」
80cm×14cmの板を縦に2枚並べた陽刻作品です。
出品作品 66室に展示中 第77回毎日書道展の会期は以下の通りですが、僕のような一般公募の入選作品は②の東京都美術館に展示されています。
ちなみに、①は役員・重鎮、会員、各種受賞者などです。
①7月8日(水)~8月2日(日)
東京展 国立新美術館開幕(毎週水曜は午後1時開場、毎週火曜は休館)
②7月18日(土)~24日(金)
東京展 東京都美術館開幕(18日は正午開幕、21日休館)
「一重山尽復一重 話尽山雲海月情」碧巌録にある、とても好きな句で何度か書作品として書いてきました。「いちじゅうやまつきてまたいちじゅう かたりつくすさんうんかいげつのじょう」と読みます。個人的には次のように解釈しています。
幾つもの山を越えてはまた越えるように、お互いに多くの苦労や困難を乗り越えてきた。親しきもの同士、胸中の心情、境地、心境のありったけを腹の底まで包み隠すことなく、あらいざらいに打ち解けあい語り合おう。
なんだか、飲み会のお誘いみたいですが... そういえば「山雲海月情」は、茶室の軸に良く使われているのを見ます。
今回は制作ドキュメント風に完成に至るまでをご紹介します。
⬜︎2月上旬〜下旬
題材検討・決定
所属会派の錬成会がありました
⬜︎3月〜4月
書稿書込み お手本を元に納得がいくまで作品となる書稿を相当枚数ひたすら書き込みます
作品制作でここが一番肝心で時間を要するところです
⬜︎4月下旬
書稿完成 籠字取り 糊付け
籠字とは完成した書稿の上に雁皮紙(トレーシングペーパー)を載せて、文字の周りをなぞり書きしたものです。これを作品にする桂材の上に全面糊付けします。
⬜︎4月下旬
捨て鑿(下彫り)6時間
区の時間貸しの施設を利用しました 捨てノミが終わったところ ⬜︎5月上旬
本彫 9時間
文字のまわりをはつり、掘り下げます ⬜︎5月下旬〜6月上旬
仕上げ彫 5時間
鳥の眼 虫の眼で細部を調整します 朱墨を塗って文字がはっきり見えるようにし、微調整を繰り返します ⬜︎6月上旬
額裏板生地貼り 落款彫り
アルミ額は昨年新調したものを再利用したため、裏板のみ購入し、ユザワヤで買った布を薄めた木工用ボンドで貼り付けます。事前に布に霧を吹いてアイロンかけて折りジワを消したり、ちょっとした手間がかかるんです。落款は通常は板を直接彫りますが、案の定失敗したため、篆刻の石に名前を彫り、板に穴を彫って埋め込みました。今回は初めて自分で納得できる落款になりました。
陰刻の落款 18mm角 ⬜︎6月中旬
背景塗り(下地に墨、上に鉄紺) 金箔貼り 箔払い 額装 発送
下地塗り その後文字以外をマスキングし、サンドペーパーをかけます 金箔は最近特に値上がりし、純金箔1枚(109mm角)が千円をゆうに超えます😆今回は12枚使いました 人口漆を指でペタペタ乗せていきます 加減が難しい工程です 凸部分に金箔を貼り、一昼夜経過後に刷毛で余分な箔を払います >板にねじ止めし、額に納め完成です <
こうやって改めて作業内容と時間を取りまとめてみて、手間ひまかかってるなぁ、と我ながら思います。
制作期間は2月上旬〜6月中旬、時間はざっと40時間超。今回が16作目となりますが、全ての工程において未熟な事が時間がかかる一番の理由です。改善の必要がある課題も多く、この道はまだまだ続きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。