書・刻字・工筆画、ときどき篆刻

書道、刻字、工筆画を趣味とするおじさんの日記

新作 刻字作品

9月10日(木)〜13日(日) 開催の「第6回 眼と指で楽しむ書の彫刻展」(泉の森会館@狛江市)へ出品する作品が完成しました。

42cm×33cmの陰刻&筋彫りです。篆書体で書いた「花鳥風月」を陰刻(凹)で彫っており、英訳部分は筋彫りです。筋彫りは字の周りをクラフトナイフで筋状に彫り、字の部分にラッカーを5回ほど塗り重ねて盛り上げています。お盆休み中に荒彫りを、その後仕上げ彫り、筋彫り、着色を時間を見つけて取り組んできたので、書稿作成から完成まで、2ヶ月くらいかかっています。

花鳥風月

作品制作にあたって道具類は作業の都度取り出して使うので、突然の思いつきで、使用した道具や材料を一堂に並べてみました。
いやいや、こんなにたくさんあったんですね、自分でもびっくりです!
桂の板材、トレーシングペーパー、サンドペーパー(400番、800番)、オイルステイン、柿渋、糊、ハケ、ノミ(2mm、4mm、7mm、9mm、15mm、25mm)、ゴムハンマー、彫刻刀(平刃2種)、クラフトナイフ、ウッドプライマー、マスキングインク、ラバークリーナー、アクリル絵の具(白)、絵皿、ラッカー(グリーン、クリア)、艶消しニススプレー、ハケ2種、小筆2種、ウエス、コーナープロテクター2種

今回の作品が累計17作品目。現状僕の実力はというと、一番大事な書稿(篆書体)は修行中、彫りや着色、箔押しの技術はまだまだ未熟。100作作ったら、一人前なるのかなぁ。今の制作ペースじゃ、先にお迎えがきちゃう。しばらくは、行き場のない在庫品(作品のこと)を大量保有することになりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

第77回 毎日書道展

今年も毎日書道展に刻字作品を出品し、5回目の入選となりました。
「一重山尽復一重 話尽山雲海月情」
80cm×14cmの板を縦に2枚並べた陽刻作品です。

出品作品 66室に展示中

第77回毎日書道展の会期は以下の通りですが、僕のような一般公募の入選作品は②の東京都美術館に展示されています。
ちなみに、①は役員・重鎮、会員、各種受賞者などです。
①7月8日(水)~8月2日(日)
 東京展 国立新美術館開幕(毎週水曜は午後1時開場、毎週火曜は休館)
②7月18日(土)~24日(金)
 東京展 東京都美術館開幕(18日は正午開幕、21日休館)

「一重山尽復一重 話尽山雲海月情」碧巌録にある、とても好きな句で何度か書作品として書いてきました。「いちじゅうやまつきてまたいちじゅう かたりつくすさんうんかいげつのじょう」と読みます。個人的には次のように解釈しています。
幾つもの山を越えてはまた越えるように、お互いに多くの苦労や困難を乗り越えてきた。親しきもの同士、胸中の心情、境地、心境のありったけを腹の底まで包み隠すことなく、あらいざらいに打ち解けあい語り合おう。
なんだか、飲み会のお誘いみたいですが... そういえば「山雲海月情」は、茶室の軸に良く使われているのを見ます。

今回は制作ドキュメント風に完成に至るまでをご紹介します。
⬜︎2月上旬〜下旬
 題材検討・決定 
 所属会派の錬成会がありました

⬜︎3月〜4月
 書稿書込み お手本を元に納得がいくまで作品となる書稿を相当枚数ひたすら書き込みます
 作品制作でここが一番肝心で時間を要するところです

⬜︎4月下旬
 書稿完成 籠字取り 糊付け
 籠字とは完成した書稿の上に雁皮紙(トレーシングペーパー)を載せて、文字の周りをなぞり書きしたものです。これを作品にする桂材の上に全面糊付けします。

⬜︎4月下旬
 捨て鑿(下彫り)6時間

区の時間貸しの施設を利用しました
捨てノミが終わったところ

⬜︎5月上旬
 本彫 9時間

文字のまわりをはつり、掘り下げます

⬜︎5月下旬〜6月上旬
 仕上げ彫 5時間

鳥の眼 虫の眼で細部を調整します
朱墨を塗って文字がはっきり見えるようにし、微調整を繰り返します

⬜︎6月上旬
 額裏板生地貼り 落款彫り
 アルミ額は昨年新調したものを再利用したため、裏板のみ購入し、ユザワヤで買った布を薄めた木工用ボンドで貼り付けます。事前に布に霧を吹いてアイロンかけて折りジワを消したり、ちょっとした手間がかかるんです。落款は通常は板を直接彫りますが、案の定失敗したため、篆刻の石に名前を彫り、板に穴を彫って埋め込みました。今回は初めて自分で納得できる落款になりました。

陰刻の落款 18mm角

⬜︎6月中旬
 背景塗り(下地に墨、上に鉄紺) 金箔貼り 箔払い 額装 発送

下地塗り その後文字以外をマスキングし、サンドペーパーをかけます
金箔は最近特に値上がりし、純金箔1枚(109mm角)が千円をゆうに超えます😆今回は12枚使いました
人口漆を指でペタペタ乗せていきます 加減が難しい工程です
凸部分に金箔を貼り、一昼夜経過後に刷毛で余分な箔を払います

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板にねじ止めし、額に納め完成です
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 こうやって改めて作業内容と時間を取りまとめてみて、手間ひまかかってるなぁ、と我ながら思います。
制作期間は2月上旬〜6月中旬、時間はざっと40時間超。今回が16作目となりますが、全ての工程において未熟な事が時間がかかる一番の理由です。改善の必要がある課題も多く、この道はまだまだ続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

第25回 国際墨画会展

今年も国立新美術館で、6/10(水)〜6/22(月)の会期で開催中です。僕は昨年バリ島で学んだバリ絵画スタイル(バトゥアンスタイル)で描いた作品を出品・入選しました。
https://www.sumi-e.or.jp/exhibition

国立新美術館

先日友人達と連れ立って、鑑賞してきました。毎月の工筆画教室の仲間達が素晴らしい作品を出品・受賞されており、圧倒され同時に大いに触発されました。皆さんココ一番には驚くような才能を発揮されます。また、作品には表面上は見えないけれど、いろんな想いが込められていることを知っています。想いの強さ・深さが作品に説得力や奥行き、美しさを与えているんだなぁと改めて感じました。

香取国際墨画会会長作品
石坂副会長作品 我々の工筆画の先生
お仲間の田宮晶子さん作品 国際墨画会会長賞
お仲間の高橋奈苗さん作品 墨運堂賞

今回僕は、「迦楼羅王像-バトゥアンスタイルへのオマージュ(Bali SeriesI)-」と題する水墨画作品を出品しました。昨年インドネシア バリ島で1週間学んだバリの伝統的な絵画スタイルの一つバトゥアンスタイル風で描いたものです。京都三十三間堂(蓮華王院)の仏像二十八部衆の一つ迦楼羅王像をモデルにバリ絵画風のテイストとしました。日本では迦楼羅、インドネシアではガルーダと呼ばれる鳥神です。
出来はともかく、穂先8mmの小筆で墨を乗せ、12mmの水筆で伸ばしながらグラデーションをつけるスタイルのためやたら時間がかかり、下絵から完成まで2ヶ月近くかかりました。バリの絵画職人はさらに緻密でより大きな作品をコツコツ仕上げており、本当に尊敬します。今回Bali SeriesI(いち)と名付けたため、今後2作目以降の制作を宣言していましました😆 自分で勝手に追い込んだ感じですが…
次回展への意気込みを蓄積することとなった展覧会となりました。

小筆達 この2本のみで仕上げました


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

無鑑査

日本刻字協会から無鑑査の認定証が届きました。無鑑査というのは特定の団体から過去の実績を元に「(主催者側の)審査・鑑査なしで出品が可能」と認められること、です。

今回届いた認定証

ちなみに日本刻字展ではこの様なヒエラルキーになっています。
一般公募→無鑑査→委嘱作家→審査会員候補→審査会員
入選・入賞がポイント化されていて、各クラスごとに所定のポイントに達すると次のクラスに昇格する仕組みです。今回5回目で一番下から一つ上のクラスに上がったという事です。これからも続く、まさに永〜い道のりです。

以下、過去の日本刻字展出品作品です。

第40回(2022年)入選 「朗」 初めての刻字作品でした
第41回(2023年)入選 「巖」を立体的に深掘りした作品
第42回(2024年)委員長賞 蘭亭序の一説 天朗気清恵風和暢を瓦當印風に
第43回(2025年)佳作 「懸弧」 孫の誕生を記念して
第44回(2026年)佳作 「星月夜」 

お読みいただき、ありがとうございました。

第25回 国際墨画会展 出品作品 完成

国際墨画会展は例年6月に開催されており、今年も出品します。
僕は昨年11月にバリ島へ絵画修行に行き、バリ島の伝統的な絵画スタイルを2種類学んできましたので、今回はそれを活かした作品とすることを決めていました。
題材は、京都三十三間堂(蓮華王院)の二十八部衆の一尊 迦楼羅王像。二十八部衆は、千手観音の守護神グループ(天部)です。
迦楼羅のルーツはインド神話の鳥神ガルーダで、バリヒンドゥではヴィシュヌ神の乗り物でもあり、木彫りの彫刻をよく見かけました。また、インドネシアの国営航空会社もガルーダですね。

三十三間堂の迦楼羅王像 今回のモデルです
バリ島ではこのような木彫りのガルーダが沢山売られています

作品は墨のみで描いた墨画です(45cm×70cm)。バリで学んだバトゥアン・スタイルも墨のみで描く細密画です。このような感じの絵画です。

バリ島バトゥアンスタイルの絵画 -Dewa Putu先生の作品-

バトゥアン・スタイルのテーストを取り入れ、タイトルは、以下の通りとしました。
【邦題】
迦楼羅王像 -バトゥアンスタイルへのオマージュ (Bali Series 1)-
【英題】
KARURA(Garuda) -A Tribute to the Batuan Style (Bali Series 1)-

仏像を墨画にした今回の作品
回りを飛んでいるのは虫でも霊でもありません 雲をイメージ化したもので、バトゥアンスタイルによるもの

今回は関防印として「長楽」を彫ってみました。

長楽 長く続く楽しみ

今作品は仏像を描いた作品ですが、羽の造形、衣のしわ、そして何より気迫に満ちた表情を紙の上で表現するのは、力量不足で困難でした。仏像画はまだまだ描きたいテーマがあるので、研鑽を積みます。また、次の作品はBali Series第2弾を制作予定です。

国際墨絵会展2026は以下の通り。「日本の書展2026東京展」と会期がほぼ同じ(同会場)ですので一度で二度おいしい。入場はいずれも無料です。

第25回 国際墨画会展 会期
2026年6月10日(水) -22日(月)
※6月16日(火)は休館
会場
国立新美術館 2階A 
東京都港区六本木7-22-2


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

第44回 日本刻字展が開催されます

第44回 日本刻字展が今年も開催されます
 会 期 2026年1月21日(水)〜26日(月)
 場 所 東京都美術館(上野公園内)LB階第1・第2展示室
 時 間 9:30〜17:30(入場は17:00まで)
     初日は10:30〜17:30 最終日は9:30〜14:30(入場は14:00まで)
 入場料 無料

開催に先立ち、20日に設営サポートに初めて参加しました。事前に綿密な配置図が検討されていて、その指示書の通りに作業を進めました。設営会社の方も入っていてプロの仕事をしており、設営支援部隊も手慣れた方々ばかりで、相当な出品数ですが、9時半から始めた作業も15時位には終了しました。事前の段取りが全ての世界です。展覧会舞台裏の作業をし、面白い経験をさせてもらいました😃


指定された位置(壁の穴)にフックをかけ、作品を配置しています
作品のバーコードをスキャンし、出品者DBから氏名・釈文を印刷した札を作品横に貼っています
今年の出品作品(5回目) 佳作賞を受賞しました
「星月夜」  月の横画は たなびく雲をイメージし 螺鈿を貼っています


日本刻字展は例年この時期に開催されますが、刻字作品のみの大規模な展覧会ですので、ご興味がある方は是非覗いて見てください。入場は無料です。

ところで、刻字ってなに?ってなりますよね 僕の当ブログで昨年1月3日に「刻字について」をアップしていますので、併せてご覧ください。

お読みいただき、ありがとうございました。